ラム酒は南国を思わせるさわやかな甘みと、力強い風味が魅力のお酒です。
そんな風味を持つラム酒はフルーツやリキュールと相性が良く、さまざまなカクテルレシピが存在します。
有名なラムカクテルには、ミントが香る「モヒート」、コーラの炭酸が心地良い「キューバリブレ」、すっきりとした甘みの「ダイキリ」などがありますね。
ラム酒のカクテルは、一口飲めばカリブ海の日差しや潮風を感じられそうな、楽しい味わいのものばかりです。
そんなラム酒のカクテルの中から、今回はおすすめの16種類のカクテルを紹介します。
トロピカルカクテルやデザートカクテル、ラム酒の力強さがダイレクトに味わえるカクテルなど、バラエティ豊かなラインナップを用意しました。
ぜひ、お気に入りの一杯を見つけてみてください。
ラム酒のカクテルとは【ショートとロング】
カクテルは英語で「Cocktail」と書き、日本では20世紀末頃に広まったといわれています。
カクテルの語源には諸説あり、代表的な説が「Tail of cock(オンドリの尻尾)」説。
昔、メキシコのカンペチェという港町に上陸したイギリス人が、現地の少年が木の枝で混ぜて作っているドリンクを見て珍しく思い「それは何か」と尋ねました。
少年は使用していた木の枝のことを聞かれたと勘違いし「これはオンドリの尻尾です」と枝の愛称を答えました。
それ以来、お酒と副材料を混ぜた飲み物は「Tail of cock(オンドリの尻尾)」と呼ばれるようになり、やがてそれが「Cock Tail→カクテル」になったというわけです。
ラム酒のカクテルはバリエーション豊かで、ラム酒の甘みやサトウキビ由来の香りが活かされたレシピは数多くあります。
魅力的なラム酒の特徴をさらに詳しく知りたい方は、次の記事も参考にしてみてください。
ショートドリンク
ショートドリンクは逆三角形の脚付きグラスに入ったカクテルで、短時間で飲み切るのが一般的なのでショート(short)と呼ばれています。
短時間で飲む理由は氷が入っていないためで、時間がたつとぬるくなってしまうからです。
ショートドリンクを飲む際は、冷たい状態をキープできるようにグラスの脚を持って飲んでみてください。
体温が伝わりにくく、長く冷たい状態を保てますよ。
なお、ショートドリンクのグラスには逆三角形型の他、ソーサー型のシャンパングラスのような丸みのあるグラスが使用される場合もあります。
ロングドリンク
ロングドリンクはコールドタイプとホットタイプに分けられ、ショートドリンクよりも時間をかけて飲めるのが特徴です。
ショートドリンクに比べるとアルコール度数は低く、1杯の容量は多い傾向にあります。
コールドタイプは氷の入ったグラスに注がれたカクテルで、氷があるため冷たい状態を長く保てます。
ゆっくり飲めるため、ロングドリンクはお酒があまり強くない方におすすめです。
ホットタイプはお湯割りや温かい牛乳割りなどのドリンクで、コールドタイプ同様に時間をかけて楽しめます。
ラム酒のカクテル作成方法4つ
ラム酒のカクテルには4つの作成方法があります。
- ビルド
- シェーク
- ステア
- ブレンド
簡単な作成手順を紹介しましょう。
ビルド
ビルドとは直接グラスでカクテルを作る技法で、ビルドであれば専用器具がなくてもカクテルを作れます。
もっとも簡単なビルドカクテルは、炭酸飲料でラム酒を割るだけのレシピ。
たとえばラム酒のソーダ割りなら、タンブラーと呼ばれる大きめのロンググラスに氷を3~4個入れてラム酒を30~45ml ほど注ぎ、次にソーダを注げば完成です。
おいしく作るポイントはソーダ類をよく冷やしておくこと、注ぐときは炭酸を氷に当てないようにして、できるだけ泡をつぶさないようにすることです。
ビルドカクテルで複数のジュースやリキュールを使う場合は、リキュールの糖度や比重を考えながら均一に混ぜてカクテルを作ります。
液体をクルクルとかき混ぜるだけでなく、氷を持ち上げて上下に液体を動かすことで、均一に混ざったおいしいカクテルが完成します。
シェーク
シェークは「振る」という意味で、シェーカーを使ってカクテルを作る技法です。シェーカーとはカクテルを作る専用器具で、材料を入れる「ボディ」、液体をこして注ぐ「ストレーナー」、ふたの役割である「トップ」の3パーツに分かれています。
シェークカクテルの手順は、まずボディに氷と材料を入れ、ストレーナーを付け、最後にトップを付けたらシェークします。
シェークの回数や強度はカクテルによって調整し、たとえば生クリームや卵黄といった混ざりにくい材料がある場合は、回数を多めに振ってしっかりと混ぜるのがコツ。
材料が混ざった頃合いを見計らってシェークをとめ、トップを外して中身をグラスに注げばシェークカクテルの完成です。
ステア
ステアには「混ぜる」「撹拌する」といった意味があり、ミキシンググラスとバースプーンを使って作る技法を指します。
ミキシンググラスとは注ぎ口の付いた大きめのグラスで、バースプーンとは柄が長くて中央部が螺旋状になったスプーンのことです。このバースプーンで液体をかき混ぜることを「ステアする」という場合もあります。
ステアカクテルは、ミキシンググラスに氷と材料を入れてステアして作ります。
材料が混ざったところでステアをとめ、ミキシンググラスからグラスに注げばカクテルの完成です。
ブレンド
ブレンドは、ミキサーやブレンダーといった電動式の機械を使って作る技法です。ラム酒の代表的なカクテル「フローズンダイキリ」は、クラッシュドアイス(砕いた氷)を使ってブレンドで作られます。クラッシュドアイスだけでなく、凍らせたフルーツを用いるカクテルもあるでしょう。
ブレンドカクテルは、ブレンダーに材料をすべて入れたあと、一定時間機械を回せば完成します。
できあがったらグラスに注ぎ、レシピに応じてデコレーションが施され、飲みやすいようにストローが添えられる場合もあります。
ホワイトラムのカクテル|おすすめ10選
ホワイトラムを使った10種類のおすすめカクテルを紹介します。
- マイタイ
- ピニャコラーダ
- ブルーハワイ
- XYZ
- スカイダイビング
- クレオパトラ
- ミリオネア
- フローズンバナナダイキリ
- ボストンクーラー
- イスラ・デ・ピノス
マイタイ (Mai Tai)
マイタイ (Mai Tai)とはタヒチ語で「最高」という意味で、パイナップルジュースの入ったトロピカルカクテルです。
由来の一つに、名バーテンダーのトレーダー・ビックという人物がタヒチから来た友人にこのカクテルを振る舞い、「Mai Tai(最高)!」と言われたことから命名されたとする説があります。
材料
- ホワイトラム:45ml
- ホワイトキュラソー:5ml
- パイナップルジュース:15ml
- オレンジジュース:20ml
- レモンジュース:5ml
- ダークラム:10ml
ダークラム以外の材料をシェークし、 クラッシュドアイスを詰めた大型のグラスに注ぎます。
ダークラムをフロートし、チェリーやパイナップルなどでデコレーションをすればマイタイの完成です。
ピニャコラーダ (Piña Colada)
ピニャコラーダは優しい口当たりと甘みが特徴で、マイタイと並ぶトロピカルカクテルの代表格です。
「ピニャ」とはパイナップルの意味で、「コラーダ」は「漉す(こす)」という意味。
パイナップルの果肉を裏ごししたジュースで作られるカクテルのため、この名が付きました。
ピニャコラーダを考案したのは、プエルトリコのバーテンダーだといわれています。
材料
- ホワイトラム:30ml
- ココナッツミルク:45ml
- パイナップルジュース:80ml
材料をすべてシェークし、 クラッシュドアイスを詰めた大型グラスに注いだあとにパイナップルやチェリーを飾ります。
なお、ホワイトラムをウォッカに変えると「チチ」というカクテルになります。
ブルーハワイ (Blue Hawaii)
ブルーハワイはさわやかな味わいのトロピカルカクテルで、ハワイの青い海をイメージさせる美しいカラーが特徴です。
ブルーハワイが生まれたのは1957年のハワイ州ホノルルで、バーテンダーのハリー・イー氏が考案したとされています。
材料
- ホワイトラム:30ml
- ブルーキュラソー:15ml
- パイナップルジュース:30ml
- レモンジュース:15ml
シェークしてクラッシュドアイスを詰めたグラスに注ぎ、パイナップルやストローなどを飾ります。
上記のブルーハワイのカクテルレシピは、サントリーが1979年に実施したトロピカルカクテルキャンペーンにより定着しました。
XYZ
XYZ(エックス・ワイ・ジー)はアルファベットの最後のスペル3文字を取って名付けられたカクテルです。
この名前には「最後のカクテル」「これ以上のカクテルはない」という意味が込められており、すっきりとした甘さの中にほのかなオレンジ風味を感じる極上の味わいが特徴です。
材料
- ホワイトラム:30ml
- ホワイトキュラソー:15ml
- レモンジュース:15ml
材料をシェークして、カクテルグラスに注げばXYZの完成です。
このレシピにはバリエーションがあり、ブランデーをベースにすると「サイドカー」、ジンをベースにすると「ホワイトレディ」、ウォッカをベースにすると「バラライカ」というカクテルに変化します。
スカイダイビング (Skydiving)
スカイダイビングは日本生まれのカクテルで、大阪の渡辺義之氏という人物が作りました。
1967年、ANBA(全日本バーテンダー協会/現NBA:日本バーテンダー協会)のカクテルコンペティションで1位を獲得しています。
澄みきった真っ青な空を連想させる、深い青色の美しいカクテルです。
材料
- ホワイトラム:30ml
- ブルーキュラソー:20ml
- ライムジュース:10ml
材料をシェークして、カクテルグラスに注げばスカイダイビングの完成です。
クレオパトラ(Cleopatra)
古代エジプトの絶世の美女、クレオパトラの名を冠したショートカクテルです。
生クリームの濃厚な口当たりとコーヒーの香りが楽しめるデザートカクテルで、ナツメグが良いアクセントになっています。
材料
- ホワイトラム:25ml
- クレーム・ド・モカ:20ml
- 生クリーム:15ml
- ナツメグ:適量
シェーカーにすべての材料と氷を入れてよくシェークし、グラスに注いだら最後にナツメグパウダーを少量振りかけます。
クレーム・ド・モカとはやや苦味のあるコーヒーリキュールのことで、生クリームと相性のよいリキュールです。
ミリオネア (Millionaire)
百万長者という意味を持つミリオネアは、ベリーとアプリコットの風味がマッチした甘くて飲みやすいカクテルです。
バラのような美しく華やかな色合いは百万長者という名にふさわしく、ジューシーでリッチなおいしさが味わえるカクテルといえるでしょう。
材料
- ホワイトラム:15ml
- スロージン:15ml
- アプリコットブランデー:15ml
- ライムジュース:15ml
- グレナデンシロップ:1dash
シェーカーにすべての材料と氷を加え、シェークしてカクテルグラスに注ぎます。
使用されているスロージンはスローベリー(西洋すもも)を漬け込んだジンのことで、フルーティーな香りと甘酸っぱさが特徴のお酒です。
フローズンバナナダイキリ (Frozen Banana Daiquiri)
フローズンバナナダイキリは、バナナの優しい甘さが楽しめるシャーベットのようなカクテルです。
バナナの代わりにイチゴやキウイなどの果物を入れれば、さまざまなフローズンダイキリが作れます。
材料
- ホワイトラム:30ml
- ホワイトキュラソー:10ml
- レモンジュース:5ml
- シュガーシロップ:5ml
- バナナ:1/3本
- クラッシュドアイス:1カップ
バナナは皮をむいて薄切りにしておき、他の材料とともにブレンダーにかけます。
できあがったものをグラスに移したらバナナを飾り、ストローを添えたらフローズンバナナダイキリの完成です。
ボストンクーラー (Boston Cooler)
ボストンクーラーとはすっきりとした甘みとラム酒のコクを感じるさっぱりとした口当たりのカクテルです。
最初の1杯目としてごくごく飲めそうな、暑い夏にピッタリの清涼感のある味わいです。
材料
- ホワイトラム:45ml
- レモンジュース:15ml
- シュガーシロップ:5ml
- ジンジャーエール:適量
シェーカーにジンジャーエール以外の材料と氷を入れてシェークし、氷の入ったロンググラスに注ぎます。
冷えたジンジャーエールでグラスを満たし、軽くステアすれば完成です。
イスラ・デ・ピノス (Isla de Pinos)
イスラ・デ・ピノスはスペイン語で「パイナップルの島(Isla de Pinos)」という意味で、アメリカでは「アイル・オブ・パイン」の名で親しまれています。
1970年代後半、日本に到来したトロピカルカクテルブームの際、イスラ・デ・ピノスは日本で紹介されました。
マイタイや甘口のピニャコラーダとは異なり、グレープフルーツの苦味と酸味が楽しめるカクテルです。
材料
- ホワイトラム:45ml
- グレープフルーツジュース:45ml
- シュガーシロップ:5ml
- グレナデンシロップ:5ml
材料をすべてシェークして、氷を入れたグラスに注げば完成です。
ゴールドラムのカクテル|おすすめ3選
ゴールドラムのカクテルを3種類紹介します。
- ポーラーショートカット
- ジャックター
- グリーンアイズ
ポーラーショートカット (Polar Shortcut)
ポーラーショートカットは、直訳すると「北極圏最短コース」。
1957年、SAS(スカンジナビア航空)がコペンハーゲン・東京間の北極回りのコースを開設した記念に、カクテルコンペティションを開催しました。
そのコンペティションで優勝したカクテルが、このポーラーショートカットです。
カクテルを作ったのは、コペンハーゲンのバーテンダーであるポール・ドシャールという人物です。
材料
- ゴールドラム:15ml
- ホワイトキュラソー:15ml
- チェリーブランデー:15ml
- ドライベルモット:15ml
ミキシンググラスに材料と氷を入れ、ステアしてカクテルグラスに注げば完成です。
ジャックター (Jack Tar)
ジャックター(Jack Tar)とは船員や水夫を指す俗語的な呼び名で、このカクテルは横浜の中華街にあるBar「ウインドジャマー(Wind Jammer)」で生まれました。
オリジナルレシピではアルコール度数75.5%の「ロンリコ151」というゴールドラムが使用されており、ロンリコ151を使用する場合はかなり度数の高いカクテルとなります。
材料
- ゴールドラム:15ml
- サザンコンフォート:15ml
- ライムジュース:15ml
材料をシェークして、クラッシュアイスを詰めたロックグラスに注げば完成です。
グラスにライムを飾る場合もあります。
グリーンアイズ (Green Eyes)
グリーンアイズは、1984年のロサンゼルス・オリンピックのオフィシャルドリンクとなったカクテルで、作ったのはカリフォルニアのバーテンダー、アルバート・レペティーという人物です。
グリーンアイズは1983年の全米カクテルコンテスト・ロング部門において、西部地域第1位を獲得しています。
材料
- ゴールドラム:30ml
- ミドリ(メロンリキュール):25ml
- パイナップルジュース:45ml
- ココナッツミルク:15ml
- ライムジュース:15ml
- クラッシュドアイス:1カップ
すべての材料をブレンダー(ミキサー)に入れてブレンドし、ゴブレットに注ぎます。
使用されている「ミドリ」は、サントリーが開発した日本生まれのメロンリキュールです。
ダークラムのカクテル|おすすめ3選
ここからは、ダークラムのカクテル3種を紹介します。
- シャンハイ
- キングストン
- プランターズパンチ
シャンハイ (Shanghai)
シャンハイとは中国の都市「上海」のことで、エキゾチックな香りとカラーが特徴です。
ダークラムとグレナデンシロップが生み出すオレンジがかった赤色が、シャンハイの美しい夜景を表現しています。
材料
- ダークドラム:30ml
- アニゼット:10ml
- レモンジュース:20ml
- グレナデンシロップ:5ml
材料と氷をシェーカーに入れてシェークし、カクテルグラスに注ぎます。
アニゼットとは薬用植物のアニスの種子をベースにしたリキュールで、スパイシーな香りが特徴です。
キングストン (Kingston)
キングストンはジャマイカの首都の名前で、ダークラムのリッチな香りと柔らかい甘みを持つショートカクテルです。
材料
- ダークラム:30ml
- ホワイトキュラソー:15ml
- レモンジュース:15ml
- グレナデンシロップ:5ml
材料と氷をシェークして、カクテルグラスに注ぎます。
名前にちなんで、ダークラムは「マイヤーズ」や「アプルトン」といったジャマイカ産を使うのがおすすめです。
プランターズパンチ (Planter's Punch)
プランターズパンチはライムの酸味が楽しめるさわやかなカクテルで、プランテーション(大農園)の労働者が愛飲していたことから名付けられたといわれています。
ジャマイカ発祥のカクテルなので、ジャマイカ産ラムの使用が推奨されているカクテルです。
材料
- ダークラム:60ml
- ライムジュース:30ml
- シュガーシロップ:10ml
- ソーダ:適量
- カットライム
ソーダ以外の材料をシェークして氷を入れたロンググラスに注ぎ、ソーダで満たします。
カットライムを落とし、最後に軽くステアし完成です。
ラムカクテルに関するよくある疑問と回答
ラム酒のカクテルに関する疑問と回答を紹介します。
ラムカクテルについてさらに詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてみてください。
ラムカクテルの定番で、簡単に作れるものはありますか?
ラム酒のカクテルで牛乳の入った甘いドリンクはありますか?
最後に
ラム酒のカクテルを16種類紹介しました。
ラムカクテルは南国のトロピカルな味わいから、ラムの力強さ・野性味を感じる味わいまで幅広いレシピがあり、どれもラム酒のおいしさが堪能できるカクテルばかりです。
お気に入りのレシピを見つけられたなら、自宅やBarでぜひ試してみてください。
カクテルは作る人の個性やセンスが色濃く反映されるので、同じレシピでも作る人によって味わいが異なります。
複数のBarで飲み比べてみたり、自分なりのアレンジを加えたりしてラム酒のカクテルの奥深さを楽しんでみてくださいね。