ホワイトラムとはサトウキビを原料につくられる無色透明のラム酒で、樽熟成を行わない、もしくは熟成後に濾過して透明にしたものを指します。カクテルベースとして使われるほか、ストレート・ロック・ソーダ割りでも楽しめる汎用性の高いラム酒です。
製法によって味わいは大きく異なり、クリアで軽やかなタイプから、フレッシュで個性的なタイプまで幅広く展開されています。本記事では、ホワイトラムの特徴や味わい、おすすめの飲み方や銘柄を解説します。
ホワイトラム(White Rum)とは

ホワイトラム(White Rum)とは、サトウキビからつくられる無色透明のラム酒です。ラム酒は樽熟成の有無や期間によって「ホワイトラム」「ゴールドラム」「ダークラム」の3種類に大別され、世界中で広く流通しているのがホワイトラムです。
ホワイトラムの原酒は、ステンレスタンクなどで一定期間休ませるのが一般的ですが、中には樽で熟成させ、その後活性炭の濾過によって色味が取り除かれたタイプも存在します。貯蔵・熟成を経た原酒は加水によってアルコール度数が調整され、その後ボトリング(瓶詰め)されて完成します。
ホワイトラムの味わい
ホワイトラムの味わいは、ラム酒のスタイルによって大きく異なります。ラム酒は一般的に「トラディショナル」「アグリコール」「ハイテストモラセス」の3つのスタイルに分類され、それぞれの製法でつくられるホワイトラムの味わいの違いをまとめました。
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スタイル |
原料 |
ホワイトラムの味わい |
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トラディショナル |
サトウキビの糖蜜(モラセス) |
クリアで雑味のない軽い味 |
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アグリコール |
サトウキビジュース |
サトウキビ本来の甘み・うまみ・香りが際立つ個性的な味 |
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ハイテストモラセス |
濃縮させたサトウキビジュース(ハイテストモラセス) |
トラディショナルとアグリコールの中間的な味 |
トラディショナルスタイルのホワイトラムは、糖蜜(サトウキビの搾り汁から、砂糖となる部分を取り除いたあとに残る液体)を原料につくられます。クリアで雑味のない軽い味わいが魅力で、カクテルベースにも適しています。
一方、アグリコールスタイル・ハイテストモラセススタイルのホワイトラムは、サトウキビ本来の甘み、うまみ、香りが際立った個性的な味わいが特徴です。とくにアグリコールスタイルのホワイトラムは、搾りたての新鮮なサトウキビジュースをそのまま発酵・蒸留するため、原料の風味がしっかりと残っています。
ラム酒のスタイルや種類について詳しく知りたい方はラム酒の種類と選び方|製法・産地・熟成・風味別に違いを解説も参考にしてみてください。
ホワイトラムの産地
ラム酒の主な産地はカリブ海の島々や中南米で、ジャマイカやキューバ、マルティニークなどが有名です。これらの産地で最も愛飲されているのがホワイトラムで、ラム酒の消費量の大半を占めています。
カリブ地域にとどまらず、ラム酒は中央アメリカや南アメリカ、アフリカ、ヨーロッパ、アジアなどの世界各地で生産されています。日本国内でも沖縄や鹿児島(徳之島)、東京(小笠原)、千葉、和歌山などでラム酒がつくられており、国産ラム酒の個性に注目が集まっています。
ホワイトラムのアルコール度数
ホワイトラムのアルコール度数は、40%前後が標準的です。ウイスキーやウォッカ、ジンといった他のスピリッツ(蒸留酒)とほぼ同じ強さで、世界的に流通する多くの銘柄が40%前後に調整されています。
一方で、原料であるサトウキビの個性を表現するため、加水量を抑えて高めのアルコール度数で仕上げる銘柄もあります。高度数のホワイトラムは炭酸などで割ってもしっかりと個性が残り、飲みごたえがあります。ストレートやロックで楽しむ場合は、チェイサーを挟みながら少量ずつ試すのが良いでしょう。
ラム酒の度数について詳しく知りたい方は、ラム酒の度数は高い?他のお酒との比較とおすすめの飲み方を解説も参考にしてみてください。
ホワイトラムと他のお酒との違い
無色透明のスピリッツであるホワイトラムは、同じく透明のお酒である「ウォッカ」「ジン」「焼酎」とは異なる特徴があります。それぞれの違いを紹介します。
ウォッカとの違い
ホワイトラムとウォッカとの違いは、原料と製法にあります。ホワイトラムはサトウキビを原料とするのに対し、ウォッカはトウモロコシや小麦、大麦などの穀類やジャガイモからつくられます。
また、ウォッカは蒸留後に白樺などの活性炭で濾過する工程を経るため、無味無臭に近いクリアな味わいに仕上がります。サトウキビ由来の甘い香りが残るホワイトラムとは、大きく風味が異なります。
ジンとの違い
ホワイトラムとジンの違いは、ウォッカと同じく原料にあります。ジンはトウモロコシや大麦、小麦、ライ麦などの穀類を原料とした蒸留酒で、そこにジュニパーベリー(ヒノキ科の針葉樹の実)をはじめとする複数のボタニカル(草根木皮)で風味付けされています。
サトウキビを原料とするホワイトラムが甘い香りを持つのに対し、ジンはジュニパーベリー由来のウッディな香りやハーブの香りが主体です。
焼酎との違い
ホワイトラムと焼酎の違いは、原料と「麹」の使用にあります。本格焼酎は、米麹や麦麹などをもとに発酵させたもろみに、米・麦・芋・黒糖などの主原料を加えてつくられる蒸留酒で、米焼酎・麦焼酎・芋焼酎・黒糖焼酎・泡盛など多くの種類があります。
一方、ホワイトラムは発酵の際に酵母を使用し、麹は一般的に用いません。ホワイトラムと同じくサトウキビを原料とする黒糖焼酎も、麹を使用するためホワイトラムとは異なる風味に仕上がります。
ホワイトラムの飲み方・割り方

透き通った色合いからは想像できないほど、ホワイトラムの味は多種多様です。さまざまな味わいのホワイトラムを堪能できる、おすすめの飲み方・割り方を3つ紹介します。
- ストレート
- ロック
- ソーダ割り
この他にも、ホワイトラムはさまざまな飲み方で楽しめます。詳しくはラム酒の飲み方15選|家でおいしく飲むポイントを紹介 by TRUCK Japanese Rumを参考にしてみてください。
ストレート
ストレートは、ホワイトラムに何も加えずそのまま味わうスタイルで、ラム酒の味をシンプルに楽しむ基本の飲み方です。
飲む際の温度によって、ホワイトラムの表情は大きく変わります。常温で飲めば香りや甘みを感じやすく、空気に触れて徐々に変化する香りも楽しめるため、時間をかけて味わえます。一方、冷やして飲むとすっきりとした爽快な味わいが際立ちます。
ストレートはホワイトラム本来の香りと味わいを最大限に堪能でき、ホワイトラムそのものの魅力を感じられる飲み方です。
ロック
ロックは、氷の入ったグラスにホワイトラムを注いで飲むスタイルです。ストレートよりもアルコールの刺激を感じにくく、ラム酒を飲み慣れていない方にもおすすめです。
氷が溶け出すとホワイトラムは少しずつ薄まり、アルコール度数が下がってまろやかな優しい味わいに変化します。時間とともに香りや味わいが変わる過程を楽しめるのも、ロックスタイルならではの魅力です。
ソーダ割り
氷の入ったグラスにホワイトラムを注ぎ、炭酸水で割って飲むのがソーダ割りです。シンプルなソーダ割りは爽やかな味わいで、食中酒にも最適です。甘く香るホワイトラムのソーダ割りは、和食にも洋食にも合わせやすい飲み方です。
ソーダの分量は、ホワイトラム1に対して3〜4ほどが目安です。ホワイトラム30ml程度に対して、ソーダ90〜120mlほどで割ってみてください。お好みでレモンやライムを搾ったり、ミントを加えたりするアレンジも楽しめます。
ホワイトラムをカクテルで楽しむ

ホワイトラムは、カクテルベースとしても活躍します。特に、トラディショナルスタイルのホワイトラムはジュースやリキュールと相性が良く、カクテルにすればさまざまな味わいが楽しめます。
ホワイトラムのカクテルといえば、定番の「モヒート」や「ピニャコラーダ」といったトロピカルドリンクが有名です。ショートカクテルなら、ドライな味わいの「XYZ」や「ダイキリ」、鮮やかな青色が映える「スカイダイビング」も人気です。
カクテルについて詳しく知りたい方は、ラム酒カクテル16選|ロング・ショートのおすすめレシピを紹介をご覧ください。
ホワイトラムをラム・アランジェで(漬けラム)で楽しむ

ラム・アランジェとは、ラム酒にフルーツやハーブ、スパイスなどを漬け込んでつくる飲み物です。レユニオン島やモーリシャスといったラム酒の生産地では古くから親しまれており、日本の梅酒のように各家庭でもつくられています。
漬け込むフルーツに決まりはなく、好みのものを自由に組み合わせられるのがラム・アランジェの魅力です。長く漬けるほどホワイトラムとフルーツがなじみ、味わいが深まります。
ラム・アランジェの詳しい作り方はラム酒とフルーツを楽しもう|ラム酒漬けの作り方・カクテルを紹介を参考にしてみてください。
おすすめのホワイトラム
ここからは、和歌山発の国産ラム酒ブランド「TRUCK Japanese Rum」が手がける2つのホワイトラムを紹介します。どちらも和歌山・熊野の風土に根ざした酵母から生まれた、個性豊かな国産ラム酒です。
Rum from Kumano Kodo
Rum from Kumano Kodoは、世界遺産である熊野古道の土壌から発見された酵母、KODO.ec162株を使用した国産ホワイトラムです。アルコール度数は43%で、青リンゴや白桃、アプリコットを思わせるフルーティーな香りに、カカオやコーヒー豆のようなほろ苦さ、ハーブを感じさせる爽やかな余韻が重なる、多層的な味わいが特徴のラム酒です。
2026年5月には、アジア最大級の蒸留酒品評会の東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)ラム酒部門で、金賞を受賞しました。
ストレートやロックでじっくり味わうのはもちろん、炭酸で割って食中酒としても楽しめます。詳細やおすすめの飲み方は、Rum from Kumano Kodo|熊野古道酵母が香る国産ラム酒・ジャパニーズラムをご覧ください。
PLUM 62
PLUM 62は、和歌山県産の梅から採取した梅酵母を使った国産ホワイトラムです。アルコール度数は62%と高めに調整されており、酵母と沖縄黒糖由来の香りを存分に味わえる贅沢な一本です。2025年の東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)のラム酒部門では、銅賞を受賞しています。
ストレートやロック、ソーダ割りで楽しめるほか、フルーツとの相性も良く、ラム・アランジェやカクテル「ティポンシュ」で飲むのもおすすめです。梅酵母由来のフルーティーな香りを生かして、梅酒の原酒にもぴったりのラム酒です。
詳細やおすすめの飲み方については、PLUM 62|和歌山の梅酵母が香る国産ラム酒・ジャパニーズラムをご覧ください。
ホワイトラムに関するよくある疑問と答え
ここからは、ホワイトラムに関するよくある疑問と、その回答を紹介します。ホワイトラムをさらに詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
ホワイトラムはお菓子作りに使える?
ホワイトラムは、お菓子作りに使えます。ただし、製菓用のラム酒の中ではダークラムが主流で、ダークラムは香りやコクが強く、風味も残りやすいため焼き菓子やチョコレート菓子に向いています。
一方、軽やかでクリアな味わいのホワイトラムは、生クリームやムース、フルーツを使った繊細なデザートと相性抜群です。ダークラムと違って透明なので、素材の色味を活かしたい場合もホワイトラムが良いでしょう。
ラム酒を使ったお菓子のレシピや用途別の選び方は、お菓子とラム酒のペアリングガイド|人気レシピ12選&おすすめラム銘柄も紹介もあわせて参考にしてみてください。
ホワイトラムとライトラムは何が違う?
「ホワイトラム」と「ライトラム」は、ラム酒を分類する基準が異なります。ホワイトラムは、色合いによる分類の1つで、無色透明のラム酒を指します。ホワイトラムのほか、ゴールドラムやダークラムといった色による分類があります。
一方、ライトラムは風味(ボディ)による分類で、軽やかなタイプのラム酒を指します。他に、ミディアムラム、ヘビーラムといった種類があります。はっきりした定義や、厳密な基準はありません。
ラム酒の分類について詳しく知りたい方はラム酒の種類と選び方|製法・産地・熟成・風味別に違いを解説もあわせて参考にしてみてください。
最後に

ホワイトラムは、サトウキビを原料につくられる無色透明のラム酒です。軽やかなタイプから個性豊かな力強いタイプまで味わいの幅が広く、飲み方や好みに合わせて選べます。
ストレートやロックで本来の香りを堪能したり、ソーダや好みの割り材で気軽に楽しんだり、自由に楽しめるのがホワイトラムの魅力です。カクテルや漬けラム(ラム・アランジェ)にすれば、楽しみ方はさらに広がります。
普段ラム酒をあまり口にされない方も、一度試してみてはいかがでしょうか。お気に入りの一杯を見つけて、ホワイトラムの多彩な世界を体感してみてください。


